ボットを開発する前に、仕事をする上でボットとその機能がどのような場合に活用できるのか考えてみます。このように理解することで、開発対象を明確化し、開発効率を向上させます。チャットボットは、ユーザーがテキストや音声のインターフェイスを介してやり取りを行う人工知能システムです。これらのやり取りは、天気予報についてボットに尋ねたり、銀行口座の不明な項目を追跡したりするような簡単なものです。さらに、ユーザーが提示された項目のリストからオプションを選択したり、人間のエージェントが行う会話に似た、構造化されていないフリースタイルのフローでやり取りを構成することも可能です。ユーザーとのやり取りの形に関わらず、優れた設計は効率的なボットを構築するのに役立ちます。優れた設計により、ユーザーから寄せられる質問のほとんどに回答し、あらゆる会話の流れを予測し、予期せぬ事態を想定することができます。
Ver7.2以降のプラットフォームでは、ストーリーボード機能を使用して会話を設計できるオプションが備わりました。それは直感的な会話デザイナーであり、外部のフローチャート、追跡、バージョン管理ツールを使用せずに、ボットの計画策定プロセスを簡素化および効率化することができます。詳細はこちらをご覧ください。
プラットフォームの推奨事項:ボットを設計する際には、以下のようなステップを考慮します。
- ユーザーニーズの理解:ボットのスコープを設定すること。ビジネススポンサー、ビジネスアナリスト、製品オーナーは、市場要件を収集し、社内のニーズを評価することにより、ユーザー要件を特定する重要な役割を果たします。
- チャットボットの目標の設定:十分に定義されたユースケースを作成するのに役立ちます。これは、上記で特定した範囲をユースケースに変換することを含みます。このフェーズでは、ボット開発者を巻き込むことをお勧めします。
- チャットボット会話の設計:ユーザーとのやり取りの中で、あらゆる可能性を含むシナリオでチャットボットの動作を定義します。会話をシミュレーションすることは、あらゆる可能性のあるシナリオを特定するのに大きな役割を果たします。
ボットの機能と理想的なユースケースが明確に定義されると、ボット開発者は、ボットタスクを設定し、インテントとエンティティを定義し、会話ダイアログを構築するプロセスを開始することできます。
チャットボットを設計する際の留意点:以下の質問に答えてみてください(全部でなくても一部でも結構です)。
- “対象ユーザー”は誰ですか?技術に精通した顧客をターゲットとしたテクニカルヘルプボットと、たとえば銀行の顧客のような一般の方をターゲットとしたヘルプボットでは、設計が異なります。そのため、対象ユーザーを評価することは常に重要です。
- このグループで最も共感を抱かせるのはどの“ボットペルソナ”ですか?このことは、あらゆる状況でボットがどのように話し、どのように行動するかを定義するのに役立ちます。
- “ボットの目的”は何ですか? ボットの対応が必要な、顧客の問い合わせなどのゴールは、会話の終了時点を定義します。
- ボットはどのような“不満”を解決してくれますか? ボットの目的およびスコープは、ボットが何に対処すべきで、いつ人間のエージェントへの引き継ぎが行われるべきかを明確にするために設定されています。
- ボットは、私たちまたは顧客にどのような“利点”をもたらしてくれますか?ボットを使う最大の利点は、時間の節約です。ユーザーは、自分の質問に答えてくれる人間のエージェントを待つ時間を無駄にする必要はありません。ビジネスオーナーとしてのあなたは、すべての顧客ニーズに応えるためにそこにいないことを憂慮する必要がありません。
- どのような“タスク”をボットに実行させたいですか? ユーザーの会話をシミュレーションすることで、ボットが対応すべきタスクを特定することができます。
- どの“チャネル”でチャットボットを使用しますか? これにより、ボットの表示方法がある程度決まります。チャットボットが利用できるオプションは、使用するチャネルや媒体によって制限されます。
- 私のボットに設定すべき“言語”はどれですか? 多言語コミュニティに対応する場合、言語サポートは必須であり、同時に辞書を作成しておくと便利です。